第7章
霧島浔がドアを開け、その視線が私と星野澪の間を行き来した後、言った。
「心音、メイクが崩れてるよ」
私は無意識に口元を拭うと、確かに口紅が滲んでいた。
私は星野澪を突き放し、ドアを開けて楽屋を後にした。
私の車は修理中で、幸い家はここからそう遠くなかったので、歩いて帰ることにした。
明かりの灯る通りに沿ってマンションへ向かっていると、背後から誰かにつけられていることに気づいた。その足音には聞き覚えのあるリズム感があり、振り返るまでもなく、それが星野澪だとわかった。
この光景は高校時代を思い出させた。彼もこうして放課後、私の後ろを歩いて通りを抜けた。あの頃の私たちは、一...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章 番外
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